「決算書では利益が出ているのに、口座にお金がない」という状況に戸惑う先生は少なくありません。今回は、利益と現金がなぜ一致しないのかを解説します。
売上と入金のタイミングのずれ
保険診療の売上は、施術を行った時点で計上されますが、実際に療養費が入金されるのは数か月後です。決算書上の利益には反映されていても、まだ手元に現金として入っていないケースがあります。
借入金の返済は利益計算に含まれない
借入金の元本返済は、経費(利益計算のマイナス要素)にはなりません。利息部分だけが経費になるため、「利益は出ているのに、返済でお金が減っていく」という状況が起こりやすくなります。
設備投資は減価償却で少しずつ経費になる
高額な医療機器を現金一括で購入した場合、支払いはその時点で発生しますが、経費(減価償却費)としては数年に分けて計上されます。支出のタイミングと経費計上のタイミングがずれるため、利益と現金の動きが一致しません。
税金の支払いタイミング
所得税や消費税は、利益が出た年の翌年に納税することが一般的です。前年の利益をもとに算出された税額を、翌年の資金から支払うことになるため、その年の利益と実際の現金支出にタイムラグが生じます。
利益と現金のズレは、多くの治療院で起こる自然な現象です。仕組みを理解し、資金繰り表で現金の動きを把握しておくことが、安定した経営につながります。