法人成りは、正しく設計すれば多くのメリットがある一方、準備不足のまま進めてしまうと、かえって負担が増えてしまうこともあります。今回は、治療院の法人成りでよく見られる失敗パターンをご紹介します。
社会保険料の負担を見落としていた
もっとも多い失敗が、法人化による社会保険料の負担増を十分に試算せずに法人成りしてしまうケースです。所得税の節税効果ばかりに目が行き、実際に法人化してから毎月の保険料負担の重さに気づく先生は少なくありません。
役員報酬の設計が甘かった
役員報酬は、原則として事業年度の途中で自由に変更できません。開始前の試算が甘いまま報酬額を決めてしまうと、想定より利益が出た年に法人に多くの利益が残り、想定より利益が出なかった年には役員報酬の負担が重くのしかかる、ということが起こります。
赤字でもかかる法人住民税を考慮していなかった
法人は、利益が出ていなくても法人住民税の均等割が発生します。個人事業の感覚のまま法人化すると、「利益が出ていないのに税金がかかる」ことに戸惑う先生もいます。
目的が曖昧なまま法人化してしまう
「なんとなく法人にした方がよさそう」という理由だけで法人成りをしてしまうと、法人化後に得られるはずだったメリットを十分に活かせないことがあります。分院展開、節税、信用力向上など、何を目的に法人化するのかを明確にしておくことが大切です。
法人成りの失敗の多くは、事前のシミュレーション不足から生まれます。治療院専門の税理士とともに、税金・社会保険・資金繰りをトータルで試算したうえで判断することをおすすめします。